温順をとな)” の例文
気分すぐれて良き時は三歳児みつごのやうに父母のひざねぶるか、白紙を切つて姉様の製造おつくりに余念なく、物を問へばにこにこと打笑うちゑみて唯はいはいと意味もなき返事をする温順をとなしさも
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うもしない、と返事へんじをして、うへへあがつて細螺きしやごかぞへながら、本當ほんたうやな小僧こぞうとつてはい、表向おもてむきに威張ゐばつた喧嘩けんくわ出來できもしないで、温順をとなしさうなかほばかりして
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
上へあがつて細螺きしやごを数へながら、本当に嫌やな小僧とつては無い、表向きに威張つた喧嘩は出来もしないで、温順をとなしさうな顔ばかりして、根性がくすくすしてゐるのだもの憎くらしからうでは無いか
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)