清心せいしん)” の例文
阿久の三味線で何某が落人おちうどを語り、阿久は清心せいしんを語った。銘々の隠芸かくしげいも出て十一時まで大騒ぎに騒いだ。時は明治四十三年六月九日。
深川の散歩 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
狂言は黙阿弥もくあみの『小袖曽我薊色縫こそでそがあざみのいろぬい』で、小団次こだんじ清心せいしん粂三郎くめさぶろう十六夜いざよい三十郎さんじゅうろう大寺正兵衛おおでらしょうべえという評判の顔あわせ。
十六夜いざよい清心せいしんが身をなげた時にも、源之丞げんのじょう鳥追姿とりおいすがたのおこよを見そめた時にも、あるいはまた、鋳掛屋いかけや松五郎が蝙蝠こうもりの飛びかう夏の夕ぐれに、天秤てんびんをにないながら両国の橋を通った時にも
大川の水 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
されば隣りでうたう歌の文句の「夢とおもひて清心せいしんは。」といい「頼むは弥陀のン誓ひ、南無阿弥陀仏々々々々々々。」
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
汚れたかわら屋根、目にるものはことごとせた寒い色をしているので、芝居を出てから一瞬間とても消失きえうせない清心せいしん十六夜いざよい華美はでやかな姿の記憶が
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
れた樹木じゆもくかわいた石垣いしがきよごれた瓦屋根かはらやね、目にるものはこと/″\せた寒い色をしてるので、芝居しばゐを出てから一瞬間しゆんかんとても消失きえうせない清心せいしん十六夜いざよひ華美はでやかな姿すがた記憶きおく
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
清心せいしんさまか。」
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
清心せいしんさまか。」
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)