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淫逸
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いんいつ
ふりがな文庫
“
淫逸
(
いんいつ
)” の例文
馬鹿
(
ばか
)
げた笑い方をし、うれしそうに眼を輝かしながら、
淫逸
(
いんいつ
)
な話をつづけるので、そういう会話の中に出ると彼は
面食
(
めんくら
)
ってしまった。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
貞節の士の夢のごとき
淫逸
(
いんいつ
)
美妙なエジプトの舞踏を東方の
蓮葉女
(
はすっぱおんな
)
らがやるのを、終日ながめて暮らすトルコ人のように僕は作られてるのだ。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
徳川様ご入府時代の世の中、寛永
尚武
(
しょうぶ
)
の世の中、元禄の
淫逸
(
いんいつ
)
、田沼の作った悪政と
賄賂
(
わいろ
)
の世の中、また、文化文政の全盛も世の中なら、
天保
(
てんぽう
)
の
飢饉
(
ききん
)
も、ある間の世の中じゃった
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僧二 世間ではそれを真宗の教えは
淫逸
(
いんいつ
)
をもきらわぬからだなどと申しています。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
それがため、かれは例の忌わしい広告画を押入れにしまって、宿を出ると、いつも騒騒しい楽隊や
喧擾
(
けんじょう
)
や食物や
淫逸
(
いんいつ
)
な
巷
(
ちまた
)
の裏から裏を這いありく犬のように身すぼらしくぶらつくのであった。
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
僧侶の
驕奢
(
きょうしゃ
)
淫逸
(
いんいつ
)
乱行
懶惰
(
らんだ
)
なること、罪人の多く出ること、田地境界訴訟の多きこと等は、第三者の声を待つまでもなく、仏徒自身ですら心あるものはそれを認めるほどの過去の世相であったのだ。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼らは彼を塗りたて、彼にリボンを結びつけ、彼の
律動
(
リズム
)
に真綿を着せ、印象派的色彩で、
淫逸
(
いんいつ
)
な
頽廃
(
たいはい
)
の色でその音楽を飾りたてていた……。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
涅槃
(
ねはん
)
主義者となり、
福音
(
ふくいん
)
信者となり、仏教信者となり——その他自分でもよくはわからなかったが——喜んであらゆる罪悪を許し、とくに
淫逸
(
いんいつ
)
な罪悪を許し
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
激怒、
淫逸
(
いんいつ
)
、殺害の渇望、肉の抱擁の
噛
(
か
)
み合い、最後にも一度かきたてられた池の
泥土
(
でいど
)
だった……。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
淫逸
(
いんいつ
)
は彼にとって、別に罪悪ではなかった。生命の泉を汚すものこそ大なる罪悪であった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
全社会の
親睦
(
しんぼく
)
、科学の奇跡、夢幻的な空中飛行、幼稚な野蛮な詩など——勲功と愚直と
淫逸
(
いんいつ
)
と犠牲とにみちた勇ましい世界であって、そこで彼の
酩酊
(
めいてい
)
した意志は
彷徨
(
ほうこう
)
や熱のうちに揺らめいていた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
“淫逸”の意味
《名詞》
過度に遊興に耽ること。男女の関係が淫らなさま。
(出典:Wiktionary)
淫
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
逸
常用漢字
中学
部首:⾡
11画
“淫逸”で始まる語句
淫逸奢侈