消印けしいん)” の例文
消印けしいんはどれもこれも違った局のであった)復讐の呪咀じゅその言葉のあとに、静子のある夜の行為が、細大さいだいらさず、正確な時間を附加えて記入してあることに変りはなかった。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
これにもはらわたはたゝるべきこゑあり、勝沼かつぬまよりの端書はがき一度とゞきて四日目にぞ七さと消印けしいんある封状ふうじやう二つ、一つはおぬひけてこれはながかりし、桂次けいじはかくて大藤村おほふじむらひとりぬ。
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
また大婚式記念郵便切手の発行せられし時都人各近鄰の郵便局に赴き局員にひて、記念当日の消印けしいんを切手になつせしむ。南岳すなわち春画を描きたる絵葉書数葉を手にし郵便局の窓にいたりて消印を請ふ。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
消印けしいんの時間を見ると、きょう朝のうちに出した速達だった。