トップ
>
浮子
>
うき
ふりがな文庫
“
浮子
(
うき
)” の例文
すると水面の
浮子
(
うき
)
が動いて、強く水の中へ引きこまれ、私はタバコの煙にむせながら
竿
(
さお
)
をあげた。釣れたのは大きな
鯊
(
はぜ
)
であった。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
川の水は濁りよごれてい、藻草や水錆が水面に浮かび、夕日がそれへ色彩をつけ、その中で
浮子
(
うき
)
が動揺してい、それを武士は眺めていた。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
母親はそれを笑顔で眺めながら、やはり釣竿を手にしていましたが、自分の
浮子
(
うき
)
の方には殆んど眼をやりませんでした。
白塔の歌:――近代伝説――
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
今度も刑期中に彼は三種の考案をしてきた、一つは『自動食器洗ひ』で他は『地引網の
浮子
(
うき
)
の改良』と『魔法の折紙』と彼が名づけたものであつた。
小熊秀雄全集-15:小説
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
急におびえた表情になって、視線を
外
(
そ
)
らして、すこし身体を兄の方にずらすようにした。兄の方は、黙って釣糸を垂れたまま、じっと
浮子
(
うき
)
を眺めている。
魚の餌
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
▼ もっと見る
少年はと見ると、
干極
(
そこり
)
と異なって来た水の調子の変化に、些細の
板沈子
(
いたおもり
)
と
折箸
(
おればし
)
の
浮子
(
うき
)
とでは、うまく安定が取れないので、時〻竿を挙げては鉤を
打返
(
うちかえ
)
している。
蘆声
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
宮川は水が深く流れがゆるやかなので、じつと堤に腰を落着けて、ゆつくり
浮子
(
うき
)
のチヨン、チヨン、スウと沈むのを楽しむ事が出来て、春風駘蕩の季節に溶け込める。
釣十二ヶ月
(新字旧仮名)
/
正木不如丘
(著)
その
下流
(
しも
)
の方で、急にぐいぐい私の釣糸を引張るやつがあり、二色に塗った
浮子
(
うき
)
が水を切って走る。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
夕方、岸に坐りこんで、じっと
浮子
(
うき
)
を見てるほど楽しいことは、ほかにありませんね。
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
その首輪の結び目へこれも釣のとき
浮子
(
うき
)
の代わりに使う小さな鈴玉をつけて
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
浮子
(
うき
)
よりももつと
軽々
(
かろがろ
)
私は浪間に躍つてゐた
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
「
浮子
(
うき
)
はないんですか?」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
すると水面の
浮子
(
うき
)
が動いて、強く水の中へ引きこまれ、私はタバコの煙にむせながら
竿
(
さお
)
をあげた。釣れたのは大きな
鯊
(
はぜ
)
であった。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
鮠
(
はや
)
釣りの寄せ餌を投げ込んで、先づ一服する。心の眼に今の寄せ餌に集つて来る愛すべき彼女等を視る。程こそよけれと竿を振る。
鉤
(
はり
)
は思ふ壺に落ちて、続いて
浮子
(
うき
)
が立つ。
健康を釣る
(新字旧仮名)
/
正木不如丘
(著)
十二、三歳かと思われたが、顔がヒネてマセて見えるのでそう思うのだが、実は十一か
高〻
(
たかだか
)
十二歳位かとも思われた。黙ってその児はシンになって
浮子
(
うき
)
を見詰めて釣っている。
蘆声
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「いいか、
浮子
(
うき
)
が三度沈まなけりゃ、糸を
揚
(
あ
)
げるじゃないぞ」
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
浮子
(
うき
)
がくっと沈んだので、竿をあげると軽かった。餌を取られたのだと思い、糸をあげると、なにか掛っている。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
私の釣りはおよそでたらめなもので、子供の使うような安い駄竿に、
浮子
(
うき
)
下もよく計らず、もっぱら岸際の
杭
(
くい
)
のあいだや、水草の蔭などを覘って糸をおろす。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
私の釣りはおよそでたらめなもので、子供の使うような安い
駄竿
(
だざお
)
に、
浮子
(
うき
)
下もよく計らず、もっぱら
岸際
(
きしぎわ
)
の
杭
(
くい
)
のあいだや、水草の
蔭
(
かげ
)
などを
覘
(
ねら
)
って糸をおろす。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼はとつぜん顔をあげた、釣竿の
尖
(
さき
)
の鈴がリリリと鳴りだしたから。
浮子
(
うき
)
が水面を走り、竿が
撓
(
たわ
)
んだ、彼は手紙を投げて竿を取った。合せると、当りは強かった。
葦
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「餌のない鉤で釣ってるんだってと眼を
剥
(
む
)
きましたっけ、そのうえ
浮子
(
うき
)
が動くたびに魚がくってるんじゃないかと思って、気持がおちつかないからどうにかしろって注文をつける始末でした」
滝口
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
浮子
(
うき
)
を見ろよ」
滝口
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“浮子”の意味
《名詞》
漁や釣りで使用する浮き。
(出典:Wiktionary)
浮
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“浮子”で始まる語句
浮子釣