つぎ)” の例文
「それで帰らうと云ふんだな、帰り給へ。」とつぎ置きのビールを一息に呷つて、「君は帰る家があるから好い。僕は無い。」と唇に流れるしづくを平手でペツと拭いた。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
かけめししる兼帶けんたいの樣子なり其外行燈あんどん反古張ほごばりの文字も分らぬ迄に黒み赤貝あかゞひあぶらつぎ燈心とうしんは僅に一本を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
注がんと搆へたり此備へ美事喰崩して見せんものと云合さねど同じ心に一同また箸を擧げしが拙者は五椀目にて降參をよばはり投げ込みとだまつぎを恐れて兩椀に手早く蓋をして其上を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)