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汚物
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おぶつ
ふりがな文庫
“
汚物
(
おぶつ
)” の例文
京都の東寺にも昔
散所法師
(
さんじょほうし
)
というのがありまして、寺の境内の掃除を担当し、
汚物
(
おぶつ
)
取り片付けなどをする賤しい身分のものでありました。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
偶像
(
ぐうぞう
)
の利益
功力
(
こうりよく
)
を失ふと云ふが如き
考
(
かんが
)
へは存し得べき事にして、
尊崇
(
そんすう
)
すべき物品が
食餘
(
しよくよ
)
の
汚物
(
おぶつ
)
と共に同一所に捨てられしとするも敢て
怪
(
あやし
)
むべきには非ざるなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
ある大都会の大通りの下の下水道に、
悪魔
(
あくま
)
が一匹住んでいました。まっ暗な中でねずみやこうもりなんかと一緒に、下水の中の
汚物
(
おぶつ
)
等をあさって暮らしていました。
不思議な帽子
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そういう
兼吉
(
かねきち
)
は、もはや
飼
(
か
)
い
葉
(
ば
)
をすませて、おぼれ
板
(
いた
)
の
掃除
(
そうじ
)
にかかったのだ。うまやぼうきに力を入れ、
糞尿
(
ふんにょう
)
相混
(
あいこん
)
じた
汚物
(
おぶつ
)
を下へ下へとはきおろしてきたのである。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
愛憎
(
あいそ
)
を
盡
(
つ
)
かすことが出来るであろう、と、そう思った末に考えついたのは、あのようなみめうるわしい女であっても、その体から
排泄
(
はいせつ
)
するものは、われ/\と同じ
汚物
(
おぶつ
)
であろう
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
汚物
(
おぶつ
)
でけがしたりする、いじの悪い海鳥どもが、空中を横行しているように思った。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
病人の
汚物
(
おぶつ
)
を捨てるにかっこうな場所ともして、
鮒
(
ふな
)
の
稚魚
(
ちぎょ
)
だけは、よく肥えていた。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この砂金の夢によって出現した部落の人達の事業としての塵芥取りは、市予算経常部の中に
汚物
(
おぶつ
)
掃除費の中、
汚物搬出馬車請負賃
(
おぶつはんしゅつばしゃうけおいちん
)
として計上されて、指定掃除人ということになっているのである。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
何と心得おるかッ。そのような
汚物
(
おぶつ
)
がほしゅうて対手したのでないわッ。退屈なればこそあしろうたのじゃ。それなる四人! 急に腰の一刀が鞘鳴りして参った。前に出ませい! 尋常に前へ出ませい!
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「そうだ。貴様は、
汚物
(
おぶつ
)
のうえにたかる
銀蠅
(
ぎんばえ
)
を、知っておるか」
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
“汚物”の意味
《名詞》
汚れて汚い物。
排泄物。
(出典:Wiktionary)
汚
常用漢字
中学
部首:⽔
6画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“汚物”で始まる語句
汚物搬出馬車請負賃