死後しにおく)” の例文
生ぜしなれば然は我が身の不義ふぎより大切なあに君をうしなひたるなり日外いつぞや部屋へやにて自害じがいせば此大變は起るまじきに死後しにおくれたるこそ口惜くちをしけれ今更死ぬともせんなけれどもせめては命をすてて成と兄君への申譯を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おれも死のうと云うと一緒なら死花しにばなが咲くと云ったじゃないか、己は死後しにおくれて死切しにきれないからようやどてへ上って、吾妻橋から飛込もうと思って来た処が、まだ人通りがあって飛こむ事もならねえから
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
客「まだ事は切れない、もう少し此方こちらへ入れてくんな、ぬれてゝもい、大方うだろうと思ったが全く死後しにおくれたに違いない、彌助やすけお前其処そこ退きな、何か薬があったろう、水を吐かせなければならん」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)