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正直者
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しょうじきもの
大将は、うなずかれて、この
娘は
正直者らしいから、けっしてうそはいうまいと
思われて、
娘の
指さした
路を
急いでゆかれました。
正直者の
香織は、
涙ながらに、
臨終に
際して、
自分の
心懸の
悪かったことをさんざん
詫びるのでした。しばらくして
彼女は
言葉をつづけました。——
けれど、それさえ、
彼は
口に
出さなかったから、
彼が、どれほどの
正直者であるか、
知るものがなかったのです。
「これは、おれはふだん
正直者だから、
神さまがきっと
金をお
授けくだされたのだ。」と、
幸作は
思いました。
なかにも
正直者の
人々は、
黒ねこをほめましたけれど、
腹のよくない、おばあさんをだまそうと
思っているようなものは、
黒ねこを
悪くいって、あんなのを
生かしておいては、
末になって