正直者しょうじきもの)” の例文
大将たいしょうは、うなずかれて、このむすめ正直者しょうじきものらしいから、けっしてうそはいうまいとおもわれて、むすめゆびさしたみちいそいでゆかれました。
強い大将の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
正直者しょうじきもの香織かおりは、なみだながらに、臨終りんじゅうさいして、自分じぶん心懸こころがけわるかったことをさんざんびるのでした。しばらくして彼女かのじょ言葉ことばをつづけました。——
けれど、それさえ、かれくちさなかったから、かれが、どれほどの正直者しょうじきものであるか、るものがなかったのです。
万の死 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「これは、おれはふだん正直者しょうじきものだから、かみさまがきっとかねをおさずけくだされたのだ。」と、幸作こうさくおもいました。
金銀小判 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なかにも正直者しょうじきもの人々ひとびとは、くろねこをほめましたけれど、はらのよくない、おばあさんをだまそうとおもっているようなものは、くろねこをわるくいって、あんなのをかしておいては、すえになって
おばあさんと黒ねこ (新字新仮名) / 小川未明(著)