森林もり)” の例文
丁度ちやうど此時このとき一度いちど逃去にげさつたる猛獸まうじうは、ふたゝ其處此處そここゝ森林もりからあらはれてたが、つる/\と空中くうちうに、のぼつて吾等われら姿すがたて、一種いつしゆ異樣ゐやう咆哮ほうかうした。つひに、吾等われら五人ごにん安全あんぜんに、輕氣球けいきゝゆうたつした。
つく/″\命は森林もりを縫う稲妻のいと続き難き者と観ずるにつけても志願を遂ぐる道遠しと意馬いばむち打ち励ましつ、ようやく東海道の名刹めいさつ古社に神像木仏はり欄間らんまの彫りまで見巡みめぐりて鎌倉東京日光も見たり
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)