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栄耀
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えいえう
三代の
栄耀一睡の
中にして、
大門の跡は一里こなたに有り、
秀衡が跡は田野に成りて、金鶏山のみ形を残す。先づ
高館にのぼれば、北上川南部より流るる大河也。
春うら/\
蝶と
共に
遊ぶや
花の
芳野山に
玉の
巵を
飛ばし、
秋は
月てら/\と
漂へる
潮を
観て
絵島の
松に
猿なきを
怨み、
厳冬には
炬燵を
奢の
高櫓と
閉籠り、
盛夏には
蚊帳を
栄耀の
陣小屋として
栄耀栄華をきはめたもんだ。