本店ほんてん)” の例文
持主は湯島切通しの質屋で、そこの隠居がついこの間まで住んでいたのが亡くなったので、婆あさんは本店ほんてんへ引き取られたと云うのである。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
相談さうだんしければ妻も致し方なくやがて吉之助をび今日本店ほんてんよりの使は斯々にて本店ほんだな無人に付しばらくの内其方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おろして漕寄こぎよせ見れば當時本店ほんてんにて日の出の番頭ばんとう吉兵衞なれば杢右衞門もくゑもん慇懃いんぎんに是は/\番頭樣にはなに御用ごようにて御いでなされしやと尋ければ吉兵衞こたへ御前方おまへがたも兼て知らるゝ如く此吉兵衞は是迄精心せいしん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
撰みて元服げんぷくさせ表向養子やうし披露ひろうもせんとて色々其用意よういなどしける處に或時本店ほんてんの加納屋より急使きふつかひ來り同道にて參るべしとの事故餠屋もちや亭主ていしゆは大いに驚き何事の出來せしやと取物とるものも取敢ずいそぎ本店へおもむきけるに利兵衞は餠屋を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)