未明まだき)” の例文
こういうところをあさ未明まだきに旅をするのは実に旅行中の最大愉快である。湖辺に沿うて行くこと五里ばかりにして朝時頃に山の間の小さな流れのところに着きました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
朝日新聞社員あさひしんぶんしやゐん横川勇次氏よこかはゆうじしを送らんと、あさ未明まだきおきいでて、かほあらも心せはしく車をいそがせて向島むかふじまへとむかふ、つねにはあらぬ市中しちうにぎはひ、三々五々いさましげにかたふて
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
杏雲堂側面未明まだきは暗き窻あけてみ合ひの屋根に霜の置く見つ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
十二月二十日は前夜来大分に雪が降りましたので朝未明まだきに雪を踏み分けながら川に沿うて東南にのぼって参りますとブラマプトラ川の川洲かわす——砂原のあちこちに夜来の雪が残って居ります。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
霜の未明まだきはこもる渡し場に子と出て見居り汐の満つるを
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
君がため未明まだきに起きて梅のはな見に來りけりまさやけき花
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
君がため未明まだきに起きて梅のはな見に来りけりまさやけき花
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)