しゆん)” の例文
一年に一度しかない、しゆんのきまつてゐるたけのこだとか、松茸まつたけだとか、さう云ふものを食べても、同じ意味で何となく心細く思ふのであつた。
風呂桶 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
と、いつて喜んでゐるが、その季節が秋だつたのからして察すると、蔬菜はしゆんはづれで、春のものに比べて、食べ劣りがしたに相違ない。
春菜 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
ざつ十日とをかばかりおくれてますです。ゆきですからな。かぜによつては今夜こんやにも眞白まつしろりますものな。……もつと出盛でさかりのしゆんだとつても、つきころほどにはないのでしてな。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と、いつて喜んでゐるが、その季節が秋だつたのからして察すると、蔬菜はしゆんはづれで、春のものに比べて、食べ劣りがしたに相違ない。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)