“天魔波旬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てんまはじゅん60.0%
てんまはじゆん40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たしかに別に天魔波旬てんまはじゅんの力が加わっているのだから、絶え入らないところが不思議です。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それでも己が渡を殺そうと云った、動機が十分でなかったなら、あとは人間の知らない力が、(天魔波旬てんまはじゅんとでも云うがい。)己の意志をさそって、邪道へ陥れたとでも解釈するよりほかはない。
袈裟と盛遠 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
如何なる天魔波旬てんまはじゆんかとはじめは胆もいて逃げのいたが、やがてその心根のやさしさもとくと合点がてん行つて、「然らば御世話に相成らうず。」と、おづおづ「きりしとほろ」のせなにのぼるが常ぢや。
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
見渡せば正面に唐錦からにしきしとねを敷ける上に、沈香ぢんかう脇息けふそくに身を持たせ、解脱同相げだつどうさう三衣さんえした天魔波旬てんまはじゆんの慾情を去りやらず、一門の榮華を三世のいのちとせる入道清盛、さても鷹揚おうやうに坐せる其の傍には
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)