旅楽師たびがくし)” の例文
このとき、ここにあわれな旅楽師たびがくしれがありました。それは年寄としよりのおとこと、わか二人ふたりおとこと、一人ひとりわかおんならでありました。この人々ひとびとは、たびから、たびわたってあるいているのです。
春になる前夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、あるあたたかなばんに、すずめは野原のはらなかから、ふえと、胡弓こきゅうおとと、かなしいうたこえきました。すずめは、それをくとびっくりしました。いつかのあわれな旅楽師たびがくしおもしたからです。
春になる前夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)