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斥
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サ
ふりがな文庫
“
斥
(
サ
)” の例文
みぶと云ふ事は、奈良朝には既に、乳母の出た家を
斥
(
サ
)
すことになつてゐたらしい。其証左には、壬生部を現すのに、乳部と書いてゐる。
貴種誕生と産湯の信仰と
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
処が、一代前の宇多帝から数へ出すと、平安朝最初の天子、桓武天皇を
斥
(
サ
)
したことになる。年数は百年以上、といふ事が出来る。
万葉集のなり立ち
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
地上の庶物を
斥
(
サ
)
す事を考へれば、又草木岩石も物を言ひ人に化したりしてゐる事を考へれば、此成語の本来の意義は知れる訣だ。
「しゞま」から「ことゝひ」へ
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
まじこりを
呪咀
(
トコヒ
)
の結果と見るのはわるい。他に関する悪意と言ふよりも、利己的な動機の為に、人を顧る暇のなかつた場合を
斥
(
サ
)
すのである。
まじなひの一方面
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
私は此章で、まれびとは古くは、神を
斥
(
サ
)
す語であつて、とこよから時を定めて來り訪ふことがあると思はれて居たことを説かうとするのである。
国文学の発生(第三稿):まれびとの意義
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
どこから來るとも訣らないが、墓地から來るとは言はぬらしい。小濱島では、
大
(
オホ
)
やまとから來ると言うて居るから、海上の國を
斥
(
サ
)
すのであらう。
国文学の発生(第三稿):まれびとの意義
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
殿
(
トノ
)
(又、とん)と言ふのにも、色々ある。右のやうな殿もあり、又、
祝女殿内
(
ノロドンチ
)
(ぬるどのち=ぬんどんち)の様に、祝女の住宅を
斥
(
サ
)
す事もある。
琉球の宗教
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
頻々たる思ひ入れ(圧搾した表情とでも申しませうか。はらが形式化し、描写要素を多く持つて来たことを
斥
(
サ
)
す様です)
芝居に出た名残星月夜
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
万葉集中の歌を
斥
(
サ
)
し示すより外はないのであつて、集以外の後代の作物から、万葉式なものをとり出すと言ふ段になると、明らかに多くの場合は
橘曙覧評伝
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
よび茶屋の女房を言ふ事もあり、おき屋の廻しの女を
斥
(
サ
)
しても居る。くわしやを遣り手とも言うてゐるが、後にはくわしやよりも、やりてが行はれた。
河童の話
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
宣る時の神事様式を示す語で、詔旨を宣べる人の座を
斥
(
サ
)
して言つたものらしい。即、平安朝以後
始中終
(
しよつちゆう
)
見えた祝詞座・祝詞屋の原始的なものであらう。
国文学の発生(第四稿):唱導的方面を中心として
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
三史の中、史記・漢書には問題はない様であるが、残る一部は「後漢書」の名で記されて居るけれど、其が果して、今の後漢書を
斥
(
サ
)
すものともきまらない。
日本書と日本紀と
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
日本紀には、
縵
(
カゲ
)
四縵・矛四矛を大后に奉り、縵四縵・矛四矛を御陵に奉つたとある。桙と言うても、棒のみを
斥
(
サ
)
すものではなく、かげは冑をまで称せられた。
花の話
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「よ」と言ふ語の古い意義は、米或は穀物を
斥
(
サ
)
したものである。後には、米の稔りを表す様になつた。
古代生活の研究:常世の国
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
一体よと言ふ語は、古くは穀物或は米を
斥
(
サ
)
したものと思はれる。後には米の稔りを言ふ様になつた。
「とこよ」と「まれびと」と
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
併し、宴はじまつて後の手拍子を
斥
(
サ
)
すのでなく、宴に先だつての禮拜を言ふ語であつたのである。
国文学の発生(第三稿):まれびとの意義
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
ともかくも初夢が、元朝目の覚めるに
先
(
さきだ
)
つて、見られたものを
斥
(
サ
)
した事は疑ひがない。
古代生活の研究:常世の国
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
前にも引き合ひに出たすくなひこなの神なども、常世へ行つたと言ふが、実は、
蛾
(
ヒムシ
)
の皮を
全剥
(
ウツハ
)
ぎにして衣とし、
蘿摩
(
カヾミ
)
の
莢
(
サヤ
)
の船に乗る仲間の
矮人
(
ヒキウド
)
の居る国に還住したことを
斥
(
サ
)
すのであらう。
妣が国へ・常世へ
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
おには「鬼」といふ漢字に飜された為に、意味も固定して、人の死んだものが鬼である、と考へられる様になつて了うたのであるが、もとは、どんなものを
斥
(
サ
)
しておにと称したのであらうか。
鬼の話
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
関係悲劇(まづい語ですが、人事の交渉から出て来ることを
斥
(
サ
)
すのです)とでも申すべきものでせう。見物を
詭計
(
オコハ
)
にかけて、あつと言はせた旧式の結構の欠陥は、十分知つて居られる博士です。
芝居に出た名残星月夜
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
まきもくの
穴師
(
アナシ
)
の山びとも、空想の仙人や、
山賤
(
ヤマガツ
)
ではなく、正真正銘山
蘰
(
カヅラ
)
して祭りの
場
(
ニハ
)
に臨んだ謂はゞ今の世の山男の先祖に当る人々を
斥
(
サ
)
したのだ、と柳田国男先生の言はれたのは、動かない。
妣が国へ・常世へ
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
われ/\の文献時代の初めに、既に見えて居た
語
(
ことば
)
に、ひとぐに・ひとの国と言ふのがある。自分たちのと、寸分違はぬ生活条件を持つた人々の住んで居ると考へられる他国・他郷を
斥
(
サ
)
したのである。
妣が国へ・常世へ
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
斥
常用漢字
中学
部首:⽄
5画
“斥”を含む語句
斥候
擯斥
排斥
斥候隊
指斥
貶斥
弁斥
推斥
攘斥
教頭排斥
斥候櫓
斥候長
斥候頭
斥罵
此斥候
潮斥