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文身
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いれずみ
ふりがな文庫
“
文身
(
いれずみ
)” の例文
見れば判るぜ。明白な青酸中毒なんだ。だが法水君、この奇妙な
文身
(
いれずみ
)
のような創紋はどうして作られたのだろうか? これこそ、奇を
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
じいっと
眸
(
ひとみ
)
を
凝
(
こ
)
らすと、大きな
蜘蛛
(
くも
)
が、脚をいっぱいに伸して、奇怪な
文身
(
いれずみ
)
か何かのように、兄の頬にへばりついてるではないか。
青草
(新字新仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
この女は、腹をぐるりと一巻きにして、
臍
(
へそ
)
のところに朱い舌を出した蛇の
文身
(
いれずみ
)
をしていた。私は九州で初めてこんな
凄
(
すご
)
い女を見た。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
隣りに坐りし静岡の商人二人しきりに関西の暴風を語り米相場を説けば向うに腰かけし
文身
(
いれずみ
)
の老人御殿場の料理屋の亭主と云えるが富士登山の景況を語る。
東上記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その手ざわりをなつかしんでいると見せて、その部分に
施
(
ほどこ
)
されている隠し
文身
(
いれずみ
)
を、指先の触覚だけで読みとることを忘れなかった。いや、そればかりではない。
人造人間殺害事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
文身
(
いれずみ
)
ひとつからだにきずをつけずに、今まで暮して来たのだ——長さんの名前だって、二の腕に
刺
(
い
)
れやあしなかった——だけど、ねえ、太夫、おめえの名なら
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
身辺の者や
悪行仲間
(
あくぎょうなかま
)
に、そんな
微量
(
びりょう
)
な人情でもあることを気取られるのは、ひどく恥辱だと信じ、
倶利伽羅紋々
(
くりからもんもん
)
の
文身
(
いれずみ
)
に急所が一ヵ所彫り落ちているような考えで
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幕府の開設した「
講武所
(
こうぶしょ
)
」には、庶民のなかから、多くの兵士が集められた。
文身
(
いれずみ
)
の勇み肌の青壮年が、すすんで護国の軍兵となったのである。農民も、そのなかにいた。
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
その中の一つは例の
文身
(
いれずみ
)
の文句と同じ「ビリー・ボーンズ お気に入り」というのであった。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
向いの部屋は窓があるので、そっちの方をちょっと覗いて見たら、
鍛鉄
(
たんてつ
)
で作った上下二段のベッドで、
文身
(
いれずみ
)
をした先生が寝ていた。それでこの真暗な部屋でも、有難く落着くことにした。
アラスカ通信
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
と祈るように
私語
(
ささや
)
くのは、盲目の老婆の手を引いた、ベズイン族の少女である。両頬に三本細く
文身
(
いれずみ
)
してるのが、青い鬚のように見える。「モハメッドのために」幾らかくれと言うのだ。
踊る地平線:12 海のモザイク
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
彼の背中には、一めんに大きな
牡丹
(
ぼたん
)
の花の
文身
(
いれずみ
)
が咲いていた。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
恐ろしき
文身
(
いれずみ
)
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかし、お訊ねにかかわる羅針盤の
文身
(
いれずみ
)
は、
隈
(
くま
)
なく捜したのでしたが、ついに発見することなく終ってしまいました。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
その腕には数箇処に
文身
(
いれずみ
)
がしてあった。「幸運あり」というのと、「順風」というのと、「ビリー・ボーンズのお気に入り」というのが、二の腕にごく巧みにはっきりと彫ってあった。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
今でも
文身
(
いれずみ
)
をした『アラスカ物語』の映画に出てきそうな男が、首都のフェアバンクスでも見受けられるくらいである。そういう土地にユニバシティをつくっても、学生はそう沢山は集らない。
アラスカ通信
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
それがちょうど
文身
(
いれずみ
)
の型取りみたいに、細い尖鋭な針先でスウッと引いたような——表皮だけを巧妙にそいだ
擦切創
(
さっせつそう
)
とでもいう浅い傷であって、両側ともほぼ直径一寸ほどの円形を作っていて
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
“文身”の意味
《名詞》
(ブンシン、いれずみ) 体に針や刃物などで傷をつけて、墨汁や朱などの色素を塗りこんで文字や絵を描きこむこと。
(出典:Wiktionary)
文
常用漢字
小1
部首:⽂
4画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“文身”で始まる語句
文身庄
文身自慢
文身御法度
文身体