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拔道
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ぬけみち
我は
惡計と
拔道をすべてしりつくし、これらの
術をおこなひてそのきこえ地の
極にまで及べり 七六—七八
出立なし夫より
鰍澤の御
關所へ掛るが
路順なり都て甲州は
二重の御關所あり土地は
御代官の支配ゆゑ御關所手形を願ふべきなれども
日數も掛るにより御關所をば
拔道を
連て天下の御
關所を廻り
道せし事
不屆なりと
咎れば文藏夫婦は是を聞て
仰天なし兩手を地に突何卒御見
遁し下されよと詫けれ共
惡漢共は
勿々聞入ず大切なる御關所何と存じ
拔道を
切けるに
不思議や
鼬の如き獸二ツになつて
落けるゆゑ人々大いに驚き是より雲切仁左衞門と
渾名せり今一人は手下にて肥前の
小猿といふ者
又一人は同く肥前長崎
在方村と云ふ所の
出生向ふ見ずの三吉と云者なり扨て文藏夫婦は此茶屋にて
拔道の樣子を