所書ところがき)” の例文
そして普魯西プロシヤ捕虜とりこになつてゐる甥の名前と収容所の所書ところがきとを渡すと、それから一週間ほど経つて、甥は不具かたはになつた捕虜の幾人いくたりと一緒に瑞西に送り帰されて来た。
父と兄とはふくろにマルコの着物を入れ、マルコのポケットにいくらかのお金を入れ、おじさんの所書ところがきをもわたしました。マルコは四月の晴れた晩、船にのりました。
私は小石川なる父の家の門札もんふだに、第四大区だいく第何小区何町何番地と所書ところがきのしてあったのを記憶している。東京府が今日の如く十五区六郡に区劃されたのは、丁度私の生れた頃のこと。
わたくししたゝめた所書ところがきやゝ不完全ですからこの手紙が果してお手もとに達するか否かを懸念しますが、しかしあなたは巴里パリイに於て既に著名なおひとですから多分無事にお手許てもとに届くだらうと思ひます。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「……ハイ。妻の所書ところがきも、貴方の旅費も、この中に入っております」
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
所書ところがきは残していらっしゃいませんでした。というわけである。
所書ところがきから読み直して見ると
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)