所刑しおき)” の例文
直樣すぐさまに自ら訴へ主殺しの御所刑しおき願ふ氣なげさよ我が子で有ぞ可愛かあいやといだきも仕度親心立派りつぱな男も三歳兒つごの樣に思はるゝのが子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「それでは親分さん、何分宜しくお願ひ申します。惡い奴でも、肉身の弟に變りは御座いません、決して所刑しおきに上げ度いわけではないのですが——」
そのような無稽むけいな申し立て、此処では通らぬぞ、察するにその方、僧侶の身にあるまじき殺生せっしょうを犯した故、死者の妄執もうしゅう晴れやらず、それへとどまっておるに相違あるまい、ところの法に照らして所刑しおきする
轆轤首 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ふり否々左樣の取計は有之まじ假令たとへ白状致すとも口書爪印なければ所刑しおきには致さぬはずなり然るを白状さへなせば爪印は何でもよいと申ては爪印を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この間の経緯いきさつには、面白い話も沢山ありますが、それはグイと端折って、いよいよ、上州屋の佐吉は、女房殺しとしてお所刑しおきになろうと決った日の夕方
主人勝藏夫婦は少し罪を作り過ぎた、——が、下手人でも無いものを所刑しおきにしては、一生寢覺めが惡いばかりでなく、お上の御威光にも拘はるといふものだ。
其方儀平生へいぜい養母やうぼに孝行を盡し其上に先年實父じつふ富右衞門御所刑しおきに相成候せつ自分身代みがはりの儀願ひいで候段是又實父へ孝心の至りに思召おぼしめされ候之に依て御褒美はうびとして白銀はくぎん三枚取せつかはす有難ありがたく存ず可し
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)