憲兵けんぺい)” の例文
かれの顔つきを見ていると、憲兵けんぺいとしてかれはわたしの言いつけをたすよりも、弁護人べんごにんとしてゼルビノをかばってやりたいように見えた。
なにしろ、お巡りさんが見ても、憲兵けんぺいさんが見ても、造船学の大家が見ても、まさかトラックのうえに豆潜水艇がのっていると、気がつくわけがありません。
豆潜水艇の行方 (新字新仮名) / 海野十三(著)
巡査じゆんさや、憲兵けんぺいひでもするとわざ平氣へいきよそほふとして、微笑びせうしてたり、口笛くちぶえいてたりする。如何いかなるばんでもかれ拘引こういんされるのをかまへてゐぬときとてはい。れがため終夜よつぴてねむられぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
なみだにぬれた目の中からわたしは、かれが憲兵けんぺいのあとからついて行くのを見た。ドアはその後ろからばたんとざされた。ああ、二か月のわかれ。
巡査じゅんさや、憲兵けんぺいいでもするとわざ平気へいきよそおうとして、微笑びしょうしてたり、口笛くちぶえいてたりする。如何いかなるばんでもかれ拘引こういんされるのをかまえていぬときとてはい。それがため終夜よっぴてねむられぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「なんだと。そんなことを言って、このおじょうさんの憲兵けんぺいが、わたしを監視かんしするつもりだろう」
カピはおどおどした様子で、平伏へいふくした。わたしはかれのかたっぽの耳から血の出ているのを見た。わたしはそれで様子をさとった。ゼルビノはこの憲兵けんぺいたたかいをしかけてきたのである。