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憤怨
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ふんえん
ふりがな文庫
“
憤怨
(
ふんえん
)” の例文
胸に燃ゆる
憤怨
(
ふんえん
)
の情を抱きながら、藁しべにでもすがりつきたい頼りない弱い心で、私たちはそれから、二人の
在所
(
ありか
)
を探して歩いた。
父
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
子供、子供と今が今まで高をくくりし武男に十二分に裏をかかれて、一
腔
(
こう
)
の
憤怨
(
ふんえん
)
焔
(
ほのお
)
のごとく燃え起こりたる千々岩は、切れよと
唇
(
くちびる
)
をかみぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
ただ大きいものは、その欠点までが大きく写ってくるのは、これはやむを得ない。
司馬遷
(
しばせん
)
は極度の
憤怨
(
ふんえん
)
のうちにあってもこのことを忘れてはいない。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
荒々しい不安な
瞳
(
ひとみ
)
、広い上衣、それは、十九年間徒刑場の
舗石
(
しきいし
)
の上で拾い集めたあの恐ろしい思想の
嫌悪
(
けんお
)
すべき一団を魂のうちに隠しながら
憤怨
(
ふんえん
)
の情に満ちて
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
珠玉
(
たま
)
のかんばせに、
恒
(
つね
)
ならず血を上らせているのは、心中にむらむらと燃え立ち渦巻く
憤怨
(
ふんえん
)
のほむらを、やっとのことでおさえつけているためなのだろうが、しかしよそめには
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
ここにおいて
妾
(
しょう
)
は全く重井のために
弄
(
もてあそ
)
ばれ、
果
(
はて
)
は全く
欺
(
あざむ
)
かれしを知りて、わが
憤怨
(
ふんえん
)
の情は何ともあれ、差し当りて両親兄弟への申し訳を
如何
(
いか
)
にすべきと、ほとほと狂すべき思いなりしをわれを
励
(
はげ
)
まし
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
胸に燃ゆる
憤怨
(
ふんえん
)
の情を抱きながら、
藁
(
わら
)
すべにでも
縋
(
すが
)
りつきたい頼りない弱い心で、私達はそれから、二人の
在所
(
ありか
)
を探して歩いた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
“憤怨”の意味
《名詞》
憤り、また恨むこと。
(出典:Wiktionary)
憤
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
怨
常用漢字
中学
部首:⼼
9画
“憤”で始まる語句
憤
憤怒
憤懣
憤慨
憤然
憤々
憤激
憤恚
憤恨
憤悶