慇懃ねんごろ)” の例文
ロミオ お乳母うばどの、おぬしのおひいさんへ慇懃ねんごろつたへてくだされ。わし飽迄あくまでうておく……
しかし老樵夫は同じような事を、慇懃ねんごろに繰り返すばかりであった。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
願奉ると叮嚀ていねいに述ければ圍爐裡ゐろりはたに年頃卅六七とも見ゆる男の半面はんめん青髭あをひげはえ骨柄こつがらのみいやしからざるが火にあたりて居たりしが夫はさだめし難澁なんじふならん疾々とく/\此方こなたあがり給へ併し空腹くふふくとあればすぐに火にあたるよろしからず先々臺所だいどころへ行て食事しよくじいたし其火のへんより玉へといと慇懃ねんごろに申けるに吉兵衞は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ロミオ といふのは、慇懃ねんごろ挨拶あいさつするためといふこゝろか?