愁傷しうしやう)” の例文
「ホウ、それは愁傷しうしやうであつたな。——が、此店ここへ入つた時、綺麗な娘が居たやうに思ふが——あれは誰だ」
つくしたれど定業ぢやうごふのがれ難く母は空敷むなしくなりにけり兵助の愁傷しうしやう大方ならずされなげき甲斐かひ無事なきことなれば泣々も野邊の送りより七々四十九日のいとなみもいとねんごろにとふらひける。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
思召おぼしめしての再吟味の御願ひ御許しなきのみかあまつさへ閉門を仰付られ候だんまことに是非もなき次第なり此上は何樣なにやうの御沙汰あらんも計り難しと愁傷しうしやうていなれば越前守には此體を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見るよりも皆々愁傷しうしやう大方ならずれど如何とも詮方せんかたなきにより早々此趣きを村役人へとゞけしかば幸手宿さつてじゆく權現堂兩村の役人とも立合評議ひやうぎなす中夜は程なく明放あけはなれしにぞ早々此段を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)