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惚々
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ほれ/″\
ふりがな文庫
“
惚々
(
ほれ/″\
)” の例文
その日は
河内家
(
かはちや
)
の
総見
(
そうけん
)
があつたので、肝腎の
阿
(
お
)
つ
母
(
かあ
)
は皆と一緒に場に坐つて、
惚々
(
ほれ/″\
)
と
吾児
(
わがこ
)
の芸に見とれて、夢中になつてゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
主人の弟の佐野松は、
二十歳
(
はたち
)
を越したばかりの、こいつは本當に光る源氏のやうな男で、相手は間違ひもなく男と知りながら、本當に
惚々
(
ほれ/″\
)
しますよ
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
みね「お國さんの事をサ、
美
(
い
)
い女だとね、年は廿七だそうだが、ちょっと見ると廿二三にしか見えない位な美い
娘
(
こ
)
で、私も
惚々
(
ほれ/″\
)
するくらいだから、ありゃア惚れてもいゝよ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何時
(
いつ
)
も
惚々
(
ほれ/″\
)
として了ふ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
何でもないその
語
(
ことば
)
が皆の耳には
宛
(
まる
)
で音楽のやうに聞えたので、居合はせた人達は
惚々
(
ほれ/″\
)
した眼つきで女の口元を見た。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
「縁側で背伸をすると、土手を歩いてゐるお前の姿がよく見えたよ、——若い娘と摺れ違ふたんびに、一々振り返つて、
惚々
(
ほれ/″\
)
と眺めるのだけは止せよ。見つともないからな」
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そや/\。確かさうやつたなあ。」と鉄斎翁は
惚々
(
ほれ/″\
)
と
贋
(
にせ
)
の
画
(
ゑ
)
に見とれてゐた。「
俺
(
わし
)
もあの頃は達者に
画
(
か
)
いたもんや、
迚
(
とて
)
も今はこんな真似は
出来上
(
でけあが
)
らんて。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そしてその晩も、
翌
(
あく
)
る晩も、また翌る晩もその石碑の
下
(
もと
)
に野宿をして、じつと石碑の文字に
惚々
(
ほれ/″\
)
してゐるので、馬はとうと腹を立てて、
其処
(
そこら
)
の
草
(
くさ
)
つ
原
(
ぱら
)
にごろり横になつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
惚
漢検準1級
部首:⼼
11画
々
3画
“惚”で始まる語句
惚
惚気
惚氣
惚込
惚氣交
惚合
惚薬
惚苦
惚言
惚拔