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怪訝
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かいが
ふりがな文庫
“
怪訝
(
かいが
)” の例文
知識と経験とが相敵視し、
妄想
(
もうそう
)
と実想とが相争闘する少年の頃に、浮世を
怪訝
(
かいが
)
し
厭嫌
(
えんけん
)
するの情起り
易
(
やす
)
きは至当の者なりと言うべし。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
凡
(
およ
)
そ人種または時代を異にせる芸術に接して能くその性質を明かにせんと欲すれば
先
(
ま
)
づそのものに密接して
怪訝
(
かいが
)
の念を去らしむるにあり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
(画家は相手を凝視しいる。令嬢は相手の目の内に現われたる
怪訝
(
かいが
)
、恐怖を排し去らんとする如く、拒む手付を為して。)
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
俊助はわずか十分ばかりの間に、造作なく「倦怠」を読み終るとまた野村の手紙をひろげて見て、その達筆な
行
(
ぎょう
)
の上へ今更のように
怪訝
(
かいが
)
の眼を落した。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それは皆
怪訝
(
かいが
)
するとともに喜んだ人たちであるが、近所の若い男たちは怪訝するとともに
嫉
(
そね
)
んだ。そして口々に「岡の小町が猿のところへ往く」と噂した。
安井夫人
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
私
(
わし
)
も
怪訝
(
かいが
)
に堪えんもんで、
早急
(
さっきゅう
)
とはなしに、本郷方面へ、同僚の筋を手繰って
捜
(
さぐ
)
りを入れると、葛木晋三と云う医学士はいかにもあるじゃね、そしてです、それは医科に勤めておらるるが、内科
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
補ふにしばしば戯作者風の
可笑味
(
おかしみ
)
多き空想を以てし
半
(
なかば
)
支那
半
(
なかば
)
西洋の背景に浮世絵在来の粉本に
基
(
もとづ
)
ける美人を配合するなぞかへつて能く
怪訝
(
かいが
)
好奇の感情を表白せる事を喜ぶ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかも
裁判
(
さいばん
)
を重ねた結果、
主犯
(
しゅはん
)
蟹は死刑になり、臼、蜂、卵等の共犯は無期徒刑の宣告を受けたのである。お
伽噺
(
とぎばなし
)
のみしか知らない読者はこう云う彼等の運命に、
怪訝
(
かいが
)
の念を持つかも知れない。
猿蟹合戦
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それを分析したら、
怪訝
(
かいが
)
が五分に
厭嫌
(
えんけん
)
が五分であろう。秋水のかたり物に拍手した私は女の理解する人間であったのに、猪口の手を引いた私は、
忽
(
たちま
)
ち女の理解すること
能
(
あた
)
わざる人間となったのである。
余興
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
清岡は四、五
間
(
けん
)
こちらから、白っぽい
絽縮緬
(
ろちりめん
)
の着物と青竹の模様の夏帯とで、すぐにそれと見さだめ、
怪訝
(
かいが
)
のあまり、車道を横断して土手際の歩道を行きながら女の跡をつけた。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
梅は
怪訝
(
かいが
)
の目を
睜
(
みは
)
った。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
怪
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
訝
漢検1級
部首:⾔
12画
“怪訝”で始まる語句
怪訝顔
怪訝相