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忘却
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ぼうきゃく
ふりがな文庫
“
忘却
(
ぼうきゃく
)” の例文
薄暗い
神殿
(
しんでん
)
の奥に
跪
(
ひざまず
)
いた時の冷やかな石の
感触
(
かんしょく
)
や、そうした生々しい感覚の記憶の群が
忘却
(
ぼうきゃく
)
の
淵
(
ふち
)
から一時に蘇って、
殺到
(
さっとう
)
して来た。
木乃伊
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
学生はしばらく
沈思
(
ちんし
)
せり。その間に「
年波
(
としなみ
)
」、「八重の
潮路
(
しおじ
)
」、「
渡守
(
わたしもり
)
」、「心なるらん」などの
歌詞
(
うたことば
)
はきれぎれに
打誦
(
うちずん
)
ぜられき。
渠
(
かれ
)
はおのれの名歌を
忘却
(
ぼうきゃく
)
したるなり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
葉子は
忘却
(
ぼうきゃく
)
の
廃址
(
はいし
)
の中から、
生々
(
なまなま
)
とした少年の大理石像を掘りあてた人のようにおもしろがった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
匹夫の出世ほど危ういものはないぞ。ひとのそねみ、あげつらい、みな己れが
慢心
(
まんしん
)
すればこそなれ。汝は、中村のむかしを忘るるなよ、主君の御恩を
忘却
(
ぼうきゃく
)
いたすまいぞ。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一、幼少の
折
(
おり
)
、母を失ったときに、親に対して孝をつくすことができなかったが、せめて母の希望であった点は
忘却
(
ぼうきゃく
)
せずして、遅れながらもこれを達しようと、こういう考えが浮んだ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
▼ もっと見る
「電線!」という声に、一同は
先刻
(
さっき
)
の感電騒ぎのあったことを思い出した。そうだ、井神陽吉が男湯の中で感電して
卒倒
(
そっとう
)
した事件は、今の今迄、恐らく皆の
脳裡
(
のうり
)
から
忘却
(
ぼうきゃく
)
されていたのであろう。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
業
(
わざ
)
を自得し、その名が世間に認められ、
慕
(
した
)
い寄る門下も、多くなればなる程、最初の一念を
忘却
(
ぼうきゃく
)
し、己が現世の勢力を、押し広め、流派を盛んにして、我慾を張らんとし、秘伝の
極意
(
ごくい
)
のと、事々しく
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
忘却
(
ぼうきゃく
)
か、はたまた、非礼か?
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
“忘却”の解説
忘却(ぼうきゃく)とは個人の長期記憶に蓄えられた知識を失うこと。自発的か徐々に古い記憶が思い出せなくなる。
心理学的には様々な段階での失敗が考えられる。最近の調査ではべき関数が数学的に最も近い忘却の過程だと調べられている。
(出典:Wikipedia)
忘
常用漢字
小6
部首:⼼
7画
却
常用漢字
中学
部首:⼙
7画
“忘却”で始まる語句
忘却仕
忘却不仕