“ぼうきゃく”の漢字の書き方と例文
語句割合
忘却100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
匹夫の出世ほど危ういものはないぞ。ひとのそねみ、あげつらい、みな己れが慢心まんしんすればこそなれ。汝は、中村のむかしを忘るるなよ、主君の御恩を忘却ぼうきゃくいたすまいぞ。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一、幼少のおり、母を失ったときに、親に対して孝をつくすことができなかったが、せめて母の希望であった点は忘却ぼうきゃくせずして、遅れながらもこれを達しようと、こういう考えが浮んだ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「電線!」という声に、一同は先刻さっきの感電騒ぎのあったことを思い出した。そうだ、井神陽吉が男湯の中で感電して卒倒そっとうした事件は、今の今迄、恐らく皆の脳裡のうりから忘却ぼうきゃくされていたのであろう。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)