心立こゝろだて)” の例文
婆さんと二人で少しばかり喰って、残りを近所に住んでいる貧乏な病人に施すという塩梅で、万事並の職人とは心立こゝろだてちがって居ります。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うかゞふに彼の三人は有頂天うちやうてんに成りて遊び戯ふれ居しが其中の一人はかねて知りたる源八なり是は歌浦が客と聞きもとより心立こゝろだてあしき源八にて兩親のうき苦勞くらうし給ふもかれゆゑとは思へども敵にも有らぬ者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ついてはの菊を手前の女房にろうと思うが、気に入りませんかえ、随分器量もく、心立こゝろだても至極宜しく、髪も結い、裁縫しごとくするよ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
慈善を好む仁者なることをしるした次に、いまだ学ばずというといえども吾は之を学びたりとわんとまで長二郎をめ、彼は未だ学問をした事は無いというが、其の身持と心立こゝろだて
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
島路はかねて長二が伎倆うでまえの優れてるに驚いて居るばかりでなく、慈善を好む心立こゝろだての優しいのに似ず、金銭や威光に少しも屈せぬ見識の高いのに感服して居ります事ゆえ、お尋ねになったを幸い
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)