御小人おこびと)” の例文
打ち見たところ、五人扶持ぶちぐらいな御小人おこびとの住居でもあろうか。勝手つづきの庭も手狭てぜまで、気のよさそうな木綿着の御新造ごしんぞはらものを出してきた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
感心かんしんあり夫より役人やくにんへ評議中主税之助は御小人おこびと目付めつけ警固けいごに及びせき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
右大臣家へも徳川殿へも御挨拶せずに立ち退くとの仰せに、実は、お供方にもその由を伝え、御小人おこびともすべて跡かたづけの方にかかっております。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだ秀吉が信長の草履をつかみ、うまやで馬と共に起臥きがしていた一介いっかい御小人おこびと時代から、彼はすでに織田家の重臣だった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや、彼は、位負くらいまけしないのだ。一躍禄高ろくだかが上がっても、きのうの彼と変らないし、御小人おこびとからさむらいになり、また忽ち一城のうえに坐っても、あのとおりだ。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——何せい、御小人おこびとから士分に取り立てられ、ようやくこの頃、御城下に宅地をいただいて、ああやって出仕する身分になったばかりの男だ。無理もないて」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日吉の身なりが小さいから御小人おこびとといったわけではない。大家に仕える小者のことをそういうのである。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むかし——二十余年前には、この清洲のお城で、馬糞ばふんを掃き、お草履をつかむ御小人おこびとであった時代もある。その頃をわすれぬためとか。さても殊勝なお心がけよの
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
外国への音物いんもつに領土の人間は用いないであろうにと、彼はそのとき左右の者に語ったが、若い黒人は、なかなか愛嬌者に見えたので、御小人おこびとの中に預け、外出の時など
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
万一のため、市の附近に、あちこち立っていた御小人おこびとたちも集まると、かなりな人数になり、縄目の法師四人を、列のしりえにつれて、やがて稲葉山の城門へかくれて行った。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
清洲の城で、いつも明るい顔は、孤君信長と、御小人おこびと仲間にいるひとりの草履取だけだった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さむらい十騎ばかり、小姓四人、あとは御小人おこびと口取中間くちとりちゅうげんなど、同勢はそれだけだった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御小人おこびとの末にあった者で、君恩により台所御用役へ転じ、今では厩衆うまやしゅうの一員ではあるものの、まだ御城内のお勤めだに、充分には参らず、ましてや工事向きのことなど、一切わきまえんが
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
虎若、小虎若、弥六、彦一、岩、とう九、小駒若ここまわかなどという御小人おこびとたちである。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「見かけない御小人おこびと。いつお抱えになられましたか」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、御小人おこびと五人、御行縢持小市若おむかばきもちこいちわか
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御小人おこびと
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)