御威光ごゐくわう)” の例文
蒙り候事口惜くちをしき次第に存じ奉つり候右新藤市之丞なるもの住所ぢうしよ相知あひしれ候へば私し虚言きよげんに之なきむね御分り相成べき儀に付何卒御威光ごゐくわう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「俺も解らねえが、こいつは大變な曲者だ。退治しなきや御府内の難儀、お上の御威光ごゐくわうにもかゝはる。來い、八。今晩のうちにらちをあけてやる」
好接異客このんでいかくにせつす、はいが、お追從連つゐしようれん眼下がんかならべて、自分じぶん上段じやうだんとこまへ無手むずなほり、金屏風きんびやうぶ御威光ごゐくわうかゞやかして、二十人前にじふにんまへぬりばかり見事みごとぜん青芋莄あをずゐき酢和すあへで、どぶろくで
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御歸おかへし下さる樣偏へに御願ひ申ますと眞面目まじめで云ふゆゑ居並ゐならびし役人共一同笑ひに耐兼たへかね眞赤まつかに成て居るにぞ越前守殿もわらはれながら好々よし/\御威光ごゐくわう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「平次、芝の人突き騷ぎは、お前も知つての通りだ、此上放つて置くとお上の御威光ごゐくわうにもかゝはる。繩張りなどにこだはらずに、一肌脱いではくれまいか」
先刻申上し寶珠花屋八五郎娘秀離縁の儀に付油屋久兵衞方より持參金并びに道具類等だうぐるゐとう未だ返しくれ申さず候間何卒なにとぞ御威光ごゐくわう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
現に笹野さゝのの旦那も、昨日お役所でお目にかゝると、熊井熊五郎と言つたやうな筋の惡い曲者が御府内を荒し廻るのは、御上の御威光ごゐくわうにもかゝはることだ、何とか一日も早く召捕つて