徐福じょふく)” の例文
しん徐福じょふくが童男女三百人をつれて、仙薬を求めて東方の島に渡ったということは世に知られ、我邦わがくにでも熊野くまの新宮しんぐうがその居住地であったとか
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
紀州灘きしゅうなだ荒濤あらなみおにじょう巉巌ざんがんにぶつかって微塵みじんに砕けて散る処、欝々うつうつとした熊野くまのの山が胸に一物いちもつかくしてもくして居る処、秦始皇しんのしこうていのよい謀叛した徐福じょふく移住いじゅうして来た処
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
市中のしん徐福じょふくの墓、浮島など、見学する。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宝貝の需要がさまで痛切ならず、人がそのために身命をし、怒濤どとうを乗り切るまでの大きな刺戟しげきがなくなったのは、徐福じょふくのローマンスよりもさらに前のことであろう。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しおの流れと主風の方向とに、今昔の変化は無いかどうか、まだ自分には確かめられぬが、ともかくもここ蓬莱ほうらいの仙郷を夢想し、徐福じょふく楊貴妃ようきひを招き迎えようとした程度に
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)