当今たゞいま)” の例文
旧字:當今
御名医が恐ろしく能く切れる刃物を持って参り、御親類立合でなければならんと云うのですが、当今たゞいまなぞは切るのは造作もございません。
ドーレ。と木綿もめんはかまけた御家来ごけらいが出てましたが当今たゞいまとはちがつて其頃そのころはまだお武家ぶけえらけんがあつて町人抔ちやうにんなど眼下がんか見下みおろしたもので「アヽ何所どこからたい。 ...
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
エヽ当今たゞいま華族様くわぞくさまとはちがひまして、今をること三十余年前よねんぜん御一新頃ごいつしんごろ華族様故くわぞくさまゆゑ、まだ品格ひんがあつて、兎角とかく下情かじやうことにはおくらうござりますから、何事なにごと御近習任ごきんじゆまかせ。殿
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
鼠甲斐絹ねずみがいき女脚半おんなきゃはんをかける世の中で、当今たゞいまならば新橋の停車場すてえしょんからピーと云えばじきに川崎までかれますが、其の頃は誠に不都合な世の中で、川崎までくのに、女の足では一晩泊りでございます。