弱気よわき)” の例文
旧字:弱氣
そして、こういたわると、としとったがんは、わかいものにみずからのちからおとろえと、弱気よわきせまいと努力どりょく努力どりょくをつづけてんでいました。
がん (新字新仮名) / 小川未明(著)
チャイコフスキーの弱気よわきは徹底的で、喝采かっさいに好い心持こころもちになるなどはもってのほかのことであり、自分に集まる人気や讃辞さえも極度に恐れる風があった。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
幸にしてこの父子あり、運がよければ、世界の再建さいけんに加工し得るかも知れないと、ひそかに思った。先発隊の運命の程もわからぬので、こんな弱気よわき強気つよきになったのである。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
すると、紳士しんしは、ちょっとまったが、そしてあたまかたむけたが、自分じぶん弱気よわきのせいだというようにかんがえて
ある冬の晩のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
世田谷で空襲にせっしたが、防空ズキンをかぶって案外呑気でいた。これらで見ると、自然力的な圧迫あっぱくには堪え得るが、人間的圧迫には堪え得ない弱気よわきの性であろうと思った。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
弱気よわきで、人間と自然とを愛せずにいられなかったドヴォルシャークは、「新世界交響曲」その他の作曲において、「人類の原始生活へのあこがれ」を描いたものとしても首肯うなずけるものがあると思う。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)