なぐさ)” の例文
と、眼を血走らせているのは袁彦道えんげんどうの胴元、盆蓙ぼんござの周りには、十四、五人の男が、同じように、生唾なまつばを呑んで、よからぬなぐさみに夢中のてい
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ね、親分、神樂坂かぐらざか小町と言はれた、十九になつたばかりの娘が一人、人身御供にあげられて、狒々ひゝ見てえな野郎のなぐさみ物にされかけて居るんだ。
「なにもそのように頓狂な声を発して、おどろくには当らないよ。こればッかりは知ったが病、久しぶりでちとなぐさみたいが、いつもどこの寺場で用いおるか」
なにもお前さんをなぐさものにするわけじゃねえのだ、おれは子供の時分から虫のせいで、善い事にしろ悪い事にしろ仕返しをしなくっちゃあおさまらねえ性分しょうぶん
当座のなぐさみにゃ持って来いだ。お前だってそう思うだろう
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そうたびたびなぐさみに参ったわけじゃござんせんが、寺場って言うのがちっと風変りな穴なんでごぜえますよ
「いえあの、そのようななぐさみ心からでは厶りませぬ! 二人とも、……二人ともに……」
老中の眼鏡 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)