年長としうへ)” の例文
校長も、年長としうへの生徒に案内をさせる為に待たしてあるといふので、急いで靴を磨いて出懸けた。出懸ける時に甲田のつくゑの前へ来て
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
どうかするとおさへきれないほどの居眠りが出て年長としうへの人達からよく惡戲されたことなど、御話したいと思ふことはいろ/\ある。
かんがへた結果あげく、まあ年長としうへだけに女房かみさん分別ふんべつして、「多分たぶん釜敷かましきことだらう、丁度ちやうどあたらしいのがあるからつておいでよ。」とつたんださうです。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
伯父をぢさんにはれて、とうさんは子供心こどもごゝろにも東京とうきやうのやうなところへかれることをたのしみにおもひました。とうさんより三つ年長としうへ友伯父ともをぢさんが、そのときやうやく十二さいでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
唖のお政は私より二歳ふたつ年長としうへ、三番目一人を除いては皆女で、末ツ児はまだを飲んでゐた。乳飲児を抱へて、大きい乳房を二つともはだけて、叔母が居睡ゐねむりしてる態を、私はよく見たものである。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)