平群へぐり)” の例文
かれ天の下治らしめさむとせしほどに、平群へぐりの臣がおや、名は志毘しびの臣、歌垣うたがきに立ちて、その袁祁をけの命のよばはむとする美人をとめの手を取りつ。
(後紀大同三年、平群へぐり朝臣の歌にあるオホシマあたりだろうという説がある。さすれば現在の生駒郡平群村あたりであろう。)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
物ごころのついた頃には、平群へぐり額田部ぬかたべといふ所の、小さな丘のほとりの古びた家で妹と二人、乳母の手で養はれてゐた。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
何時の間にか、平群へぐりの丘や、色々な塔を持った京西の寺々の見渡される、三条辺の町尻に来て居ることに気がついた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
蘇我ノ蝦夷えみし平群へぐりしび、蘇我ノ赤魚あかお押返おさかえ毛屎けくそ阿曇あずみ蛍虫ほたる——などはまだよいが、巨勢こせ屎子くそこという女性がある。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それから約三十分後には、僕は何かかがやかしい目つきをしながら、村を北のほうに抜け出し、平群へぐりの山のふもと、法輪寺ほうりんじ法起寺ほっきじのある森のほうへぶらぶらと歩き出していた。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
斑鳩いかるがへ。平群へぐりのおほ高草たかくさ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
あの平群へぐりの山の
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
次に平群へぐり都久つくの宿禰は、平群の臣、佐和良の臣、馬の御樴みくひの連等が祖なり。次につのの宿禰は、木の臣、都奴の臣、坂本の臣等が祖なり。
何時の間にか、平群へぐりの丘や、色々な塔を持つた京西きやうにしの寺々の見渡される町尻へ来て居ることに気がついた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
斑鳩いかるがへ。平群へぐりのおほ野高草の
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
そこで天下をお治めなされようとしたほどに、平群へぐりの臣の祖先のシビの臣が、歌垣の場で、そのヲケの命の結婚なされようとする孃子の手を取りました。
この道は、平群へぐりの櫟本へ出づるなりとか。
筬の音 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
疊薦たたみこも一六 平群へぐりの山一七
大和の國の平群へぐりの山の
向うの平群へぐりの山との