尤物まれもの)” の例文
「まづその御意おつもりでお熱いところをお一盞ひとつ不満家むづかしや貴方あなたが一寸好いと有仰おつしやる位では、余程よつぽど尤物まれものと思はなければなりません。全くすくなうございます」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
名物一つかげを消して二度目の花は紺屋の乙娘、今千束町に新つた屋の御神燈ほのめかして、小吉と呼ばるゝ公園の尤物まれものも根生ひは同じ此處の土成し、あけくれの噂にも御出世といふは女に限りて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
評判はその頃に高く去るもの日々にうとければ、名物一つかげを消して二度目の花は紺屋こうや乙娘おとむすめ、今千束町せんぞくまちに新つた屋の御神燈ほのめかして、小吉こきちと呼ばるる公園の尤物まれもの根生ねおひは同じ此処ここの土成し
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
名物めいぶつ一つかげをして二はな紺屋こうや乙娘おとむすめいま千束町せんぞくまちしんつた御神燈ごじんとうほのめかして、小吉こきちばるゝ公園こうえん尤物まれもの根生ねをひはおな此處こゝ土成つちなりし、あけくれのうはさにも御出世ごしゆつせといふはをんなかぎりて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)