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寶引
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はうびき
彼等は
外からの
人目を
雨戸に
避けて
其の
唯一の
娯樂とされてある
寶引をしようといふのであつた。
疊には八
本の
紺の
寶引絲がざらりと
投げ
出された。
寶引にも
酒にも
加はらぬ
老人等は
棚の
周圍を
廻つてからは
歸つたものも
有つて
寮には
幾らか
人數も
減つて
居たが
圍爐裏の
邊は
醉が
加はつて
寶引の
群に
行かぬ
婆さん
等は
酒の
好きな
孰れも
威勢のいゝものばかりであつた。