トップ
>
寝静
>
ねしずま
ふりがな文庫
“
寝静
(
ねしずま
)” の例文
旧字:
寢靜
二時を打った時計の余韻が、
寝静
(
ねしずま
)
ったホテルの廊下にたゆたいながら消えて行った、——そのとたんであった、静かな闇の
何処
(
どこ
)
からともなく
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
渡邊祖五郎は
頻
(
しき
)
りに様子を探りますが、少しも分りません、
夜半
(
よなか
)
に客が
寝静
(
ねしずま
)
ってから廊下で
小用
(
こよう
)
を
達
(
た
)
しながら
唯
(
と
)
見ますと、垣根の向うに
小家
(
こや
)
が一軒ありました。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
再び
聞
(
きこ
)
ゆる怪しい物音は、
寝静
(
ねしずま
)
った真夜中の深い闇の静けさを破ってどこからともなく聞えてきた。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
けれども、欄干に乗出して、も一つ橋越しに透かして見ると、門は
寝静
(
ねしずま
)
ったように
鎖
(
とざ
)
してあった。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鶴子が良人に
逢
(
あ
)
って始めて洋行の事を打明けたのは次の夜も世間は既に
寝静
(
ねしずま
)
った頃であった。進はどこかで飲んで来た酒の酔も一時に
醒
(
さ
)
めるほど驚いたらしいのを、わざとさり
気
(
げ
)
なく
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
その晩私は大蔵大臣の宅へ帰り、その翌日すぐセラの僧舎へ帰りまして夜分人の
寝静
(
ねしずま
)
ってから、法王に対する
上書
(
じょうしょ
)
を書きました。これは事いよいよ露顕に及んだ時の用意のためでございます。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
此方
(
こなた
)
は例の早四郎が待ちに待った
今宵
(
こよい
)
と、人の
寝静
(
ねしずま
)
るを
窺
(
うかご
)
うてお竹の座敷へやって参り
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
寝
常用漢字
中学
部首:⼧
13画
静
常用漢字
小4
部首:⾭
14画
“寝”で始まる語句
寝
寝衣
寝台
寝床
寝覚
寝室
寝転
寝惚
寝所
寝呆