寛々ゆる/\)” の例文
かへし給ふべし拙者も是より江戸見物致さんと思ふなれば江戸迄は御同道ごどうだう申べし先々まづ/\心置こゝろおきなく寛々ゆる/\養生やうじやうなすが專一なりとて眞實しんじつに申を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さう言ひ乍ら平次と八五郎は、寛々ゆる/\として母家へ歸つて行くのです。其處では手代の春之助が、我物顏に帳場に坐つて、何やら狸算用に餘念もありません。
わたくし此方こちらへ参りましてから、貴方はお癇癖が起ってる御様子、寛々ゆる/\お話も出来ませんが
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そこで體を突ツ張つて、腕を足拍子あしひやうしを取つて、出來るだけえらさうに寛々ゆる/\と歩いて見る。駄目だ。些ともえらくなれない。何かむやみと氣にかゝツて、不安は槍襖やりぶすまを作ツておそツて來る。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ふで申上參せ候扨々思ひ掛なく九しるし出拔だしぬけに歸國致し途方に暮參せ候豫々夫婦になり度いのり居候へども此の後は寛々ゆる/\御げんもじも心元こゝろもとなくぞんじ參せ候
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
進ぜん外々ほか/\の儀と事變り金子の事故驚怖おどろいたりあたらきもつぶす所と空嘯そらうそぶひてたばこをくゆらし白々敷しら/″\しくも千太郎を世間知らずの息子むすこと見かすまづ寛々ゆる/\と氣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)