安房あは)” の例文
(叔父が安房あは上総かづさへ武者修行に出かけ、二刀流の剣客と仕合をした話も矢張やはり僕を喜ばせたものである。)それから「御維新」前後には彰義隊しやうぎたいに加はる志を持つてゐた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
手間取てまどり大森おほもりの邊りに來りし頃ははやこくなれば御所刑場おしおきばあたりは往來わうらいの者も有まじとおも徐々そろ/\來懸きかゝりしに更と云殊に右の方は安房あは上總かづさ浦々うら/\まで渺々べう/\たる海原うなばらにして岸邊を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とつくの昔に大川へ落ちて、今頃は安房あは上總かづさの漁師の子の玩具おもちやになつてゐますよ
今は父の後を襲ふた常陸大掾ひたちのだいじよう貞盛、良兼の子の公雅、公連、それから秦清文はたきよぶみ、此等が皆職を帯びて、武蔵、安房あは、上総、下総、常陸、下野諸国の武士を駆催かりもよほして将門を取つて押へようとする。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
潮浴しほあみ安房あはの海べに行きたりしわがをさなごは眠りけむかも
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)