まもる)” の例文
上和田駅風越山信定寺しんぢやうじといふ禅寺のまもるところにして、寺後に信定の城墟あり、石塁今に存といふ。二里上和田の駅。比野屋又右衛門の家に宿す。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「錢形の親分——でせうな、私は芝口一丁目に住む、神山まもると申すもの、折入つてのお願ひがあつて參りましたが」
成故に汝死す共云べからず其子固く父の命をまもる官吏やくにんを以て其たいやき種々しゆ/″\責問せめとふと雖もつひに言ずして死すと云夫と是とは變れども陸尺ろくしやく七右衞門は卑賤者いやしきもの似氣にげなく豪侠がうけふにして
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
現在でも私は高円寺こうえんじ五丁目に住んで居りますが、其の頃も場所こそ違え同じ高円寺一丁目の家賃十六円の粗末な貸家を借りて、妻の房枝ふさえと二歳になるまもると共々に文筆業を営んで居たのであります。
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)