孫店まごだな)” の例文
尋ね出してをつと道十郎殿の惡名をすゝがせん者をと夫より心を定め赤坂あかさか傳馬町でんまちやうへと引取られ同町にておもてながらもいとせま孫店まごだな借受かりうけ爰に雨露うろ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何うかしたかのなんのという騒ぎじゃございやせん、わっちも先生もうやって萩原様の地面うち孫店まごだなを借りて、お互いにすまっており
萩原新三郎はぎわらしんざぶろう孫店まごだなに住む伴蔵ともぞうれて、柳島やなぎしま横川よこかわへ釣にっていた。それは五月の初めのことであった。新三郎は釣に往っても釣に興味はないので、吸筒すいづつの酒を飲んでいた。
円朝の牡丹灯籠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「そんなわけぢや御座いません、——七八年前田島屋は御上の御用を勤めて居りました、——御呉服所と申して、後藤縫殿助ぬひのすけ樣の御支配で、孫店まごだなでは御座いましたが、見識のあつた店でございます」
新「わたし孫店まごだなに住んで居る、白翁堂勇齋はくおうどうゆうさいという人相見にんそうみが、万事わたくしの世話をしてやかましい奴だから、それに知れないように裏からそっとお這入り遊ばせ」
妾狂いをするのは当前あたりまえだと、大層もない事をお云いでないよ、今では旦那だと云って威張っているが、去年まではお前はなんだい、萩原様の奉公人同様に追い使われ小さな孫店まごだなかりていて