ひとり)” の例文
宮は何時いつまでここに在らん、我は例のひとりなり。思ふに、彼の悔いたるとは誠ならん、我の死をゆるさざるも誠なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
われたゞひとりとなりぬ。君の御前みまへでては、更に新らしきわが身のおもひして
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
よよと、ひとりで泣いている者があったからである。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日はふるへてゐる、ひとりぼつちで……
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
あゝ今は越方こしかたとなりしつらき長きみちよわれたゞひとりなりしその日よ。
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)