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奈何
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いかが
ふりがな文庫
“
奈何
(
いかが
)” の例文
奈何
(
いかが
)
いたし候や。あるいは御許の心変りしやとも考え、
斯
(
か
)
くては定めし夫に対しても礼義崩れ、
我儘
(
わがまま
)
なることもなきやと、日々心痛いたし居り候。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「御得意の阪本でござい。毎度御引立難有う御座りやす。
奈何
(
いかが
)
ですか旦那、大分夜も遅うござりますぞ。
精々
(
せいぜい
)
勉強して一泊二十五銭、いかゞでがす」
文学に現れたる東北地方の地方色:(仙台放送局放送原稿)
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
此
(
この
)
際
御
(
おん
)
前様御心底は
奈何
(
いかが
)
に候
哉
(
や
)
。私存じ候には、同刻御自身の
思召
(
おぼしめし
)
にて馬喰町へ
御出被成候方宜敷
(
おんいでなされそろかたよろしく
)
候様存じ候。
田原町
(
たわらちょう
)
へ
一寸
(
ちょっと
)
御立寄被成候
(
おんたちよりなされそうろう
)
て
御出被成度
(
おんいでなされたく
)
存じ候。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
一筆
(
ひとふで
)
しめし上げ
※
(
まいらせそろ
)
。さてとや暑さきびしく
候
(
そうろう
)
ところ、皆様には
奈何
(
いかが
)
御暮しなされ候や。私よりも一向音信いたさず候えども、
御許
(
おんもと
)
よりも御便り
無之
(
これなく
)
候故、日々御案じ申上げ候。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「まあ、宜しいじゃ御座いませんか……もっと
御緩
(
ごゆっくり
)
なすったら
奈何
(
いかが
)
で御座います……」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
「御塩焼は
奈何
(
いかが
)
で御座いますか。もし何でしたら、
海胆
(
うに
)
でも御着け遊ばしたら——」
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
途次
(
みちみち
)
技手は私を顧みて、ある小説の中に、
榛名
(
はるな
)
の朝の飛雲の赤色なるを記したところが有ったと記憶するが、飛雲は低い処を行くのだから、赤くなるということは
奈何
(
いかが
)
などと話した。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「御祈祷して御貰い成すったら
奈何
(
いかが
)
です——
必
(
きっ
)
と方角でも悪かったんでしょうよ」
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「医者に
診
(
み
)
て貰ったら
奈何
(
いかが
)
です」と言って、三吉は種夫を膝の上に乗せた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「相川さん、遅刻届は活版
摺
(
ずり
)
にしてお置きなすったら、
奈何
(
いかが
)
です」などと、
小癪
(
こしゃく
)
なことを
吐
(
ぬか
)
す受付の小使までも、心の中では彼の貴い性質を尊敬して、普通の会社員と同じようには見ていない。
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「房子さんは
奈何
(
いかが
)
でいらっしゃいますか。先日
一寸
(
ちょっと
)
御見舞に伺いました時も、大層御悪いような御様子でしたが——
真実
(
ほんと
)
に、私は御気の毒で、房子さんの苦しむところを見ていられませんでしたよ」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「お豆腐のたきたては
奈何
(
いかが
)
でごわす」などと言って、内儀さんが
大丼
(
おおどんぶり
)
に熱い豆腐の露を盛って出す。亭主も手拭を腰にブラサゲて出て来て、自分の子息が子供
相撲
(
ずもう
)
に弓を取った自慢話なぞを始める。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
奈
常用漢字
小4
部首:⼤
8画
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“奈何”で始まる語句
奈何云
奈何様
奈何樣
奈何為