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奇峭
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きしょう
ふりがな文庫
“
奇峭
(
きしょう
)” の例文
こうして急流は変じて
深潭
(
しんたん
)
となり、山峡の湖水となり、岩はその根を没して
重畳
(
ちょうじょう
)
奇峭
(
きしょう
)
の
趣
(
おもむき
)
を
少
(
すくな
)
からず減じてしまったと聞いた。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
やはりご多分に
洩
(
も
)
れず単にその始まっている場所を指示した分類に属すべきものなのでありますが、それがやや群俗を抜いて
奇峭
(
きしょう
)
である点に特色があります。
俳句の作りよう
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
彼の cynic な言語挙動は始終僕に不愉快を感ぜしめるが、とにかく彼も一種の
奇峭
(
きしょう
)
な性格である。同級の詩人が彼に贈った詩の結句は、竹窓夜静にして
韓非
(
かんぴ
)
を読むというのであった。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そしてふたたび、
東京
(
とうけい
)
さしての旅また旅をかさねてゆくうち、はからずも、ここ
瓦罐寺
(
がかんじ
)
と呼ぶ
奇峭
(
きしょう
)
怪峰
(
かいほう
)
の荒れ寺に、一夜の
雨露
(
うろ
)
を
凌
(
しの
)
がんと立ち寄って、彼は、世にあるまじき人間のすがたを見た。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その正面こそ大同電力の白い白いダム
堰堤
(
えんてい
)
である。古典的の
幽邃
(
ゆうすい
)
と
奇峭
(
きしょう
)
とはここに変転して、近代の白と
灰銀
(
かいぎん
)
との一大コンクリート風景を
顕現
(
けんげん
)
する。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
この蘇川峡のみを
以
(
もっ
)
てすれば、その
岩相
(
がんそう
)
の
奇峭
(
きしょう
)
は
豊
(
ほう
)
の
耶馬渓
(
やばけい
)
、
紀
(
き
)
の
瀞八丁
(
どろはっちょう
)
、
信
(
しん
)
の天竜峡におよばず、その水流の急なること
肥
(
ひ
)
の
球磨
(
くま
)
川にしかず、
激湍
(
げきたん
)
はまた筑後川の
或個処
(
あるかしょ
)
にも劣るものがある。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
“奇峭”の意味
《名詞》
山などが険しく切り立っていること。また、そのようなさま。
性格などが鋭くきついこと。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
奇
常用漢字
中学
部首:⼤
8画
峭
漢検1級
部首:⼭
10画
“奇”で始まる語句
奇
奇麗
奇蹟
奇怪
奇妙
奇異
奇特
奇矯
奇瑞
奇態