大造たいそう)” の例文
あるいはその間に艱難かんなん辛苦など述立てれば大造たいそうのようだが、咽元のどもと通れば熱さ忘れると云うその通りで、艱難辛苦も過ぎて仕舞しまええば何ともない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
聞付けそれ事こそ出來たり我々われ/\が云ぬ事か一文貰もんもらひ素浪人すらうにんにはかに大造たいそう立派りつぱ身形みなり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お互に痛くないように大造たいそうな剣幕で大きな声で怒鳴どなっ掴合つかみあ打合うちあうだろう。うするとその辺の店はバタ/\片付けて戸を締めて仕舞うてひっそりとなる。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
殺すことは古今の強惡がうあくなり始終は白刄しらはさびと成べし必定々々かならず/\此後は屹度きつと止られよと云たることも三五郎から聞たるぞ今では汝れも大造たいそう身代くらしに成たに付昔しのえんで三五郎も一年越の不仕合ふしあはせ故度々無心には行しが都合つがふ惣計しめて金八十三兩かしたに相違は無しサア/\此方こつちからして盜人ぬすびと上前うはまへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私がチエーンバーの経済論を一冊もって居て、何か話のついでに御勘定方の有力な人、すなわち今で申せば大蔵省中の重要の職に居る人にその経済書の事を語ると、大造たいそうよろこんで
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)