大河だいが)” の例文
ボオル大河だいがの上で初めて飛んで居る燕を見た。に湖が見えてその廻りを囲んだ村などがの様である。露西亜ロシア字で書いた駅の名はもとより私に読まれない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
両国橋の橋間は勿論もちろん料理屋の立並ぶあたり一帯の河面かわもせはさすがの大河だいが込合こみあう舟に蔽尽おおいつくされ、流るる水はふなばたから玉臂ぎょくひを伸べて杯を洗う美人の酒にいて同じく酒となるかと疑われる。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
するとは如何に、眼の前は茫々漠々ぼうぼうばくばくとして何一ツ見えず、イヤ何一ツ見えないのでは無い、唯是れ漫々洋々として、大河だいがの如く大湖の如く大海だいかいの如く、漪々いいたり瀲々れんれんたり、汪々おうおうたり滔々とうとうたり
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
北海ほくかい新潟にひがた海門みなとにおつる大河だいが阿加あか川と千曲ちくま川と也。
現代思想の大河だいがに波を揚げる一脈のながれに外ならないと思ふ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
水夫かこの歌聞かぬ大河だいがの寂しけれ船多けれど水ひろくして
渤海につづく大河だいがを見送りて初夏に立つ城壁の上